行政書士試験は難しい?最新合格率と難易度を初学者向けに解説

行政書士試験は、法律系資格の学習経験がない方にとって、決して簡単な試験ではありません。直近の2025年度(令和7年度)試験では、受験者50,163人のうち7,292人が合格し、合格率は14.54%でした。

しかし、合格率だけを見て「法律初学者には無理」と判断する必要もありません。行政書士試験は、原則として300点満点中180点以上を取る絶対評価型の試験です。受験者同士で上位数%を争う試験ではなく、必要な知識と解答力を身につけ、定められた合格基準を超えることが目標になります。

この記事では、行政書士試験の最新合格率、過去10年間の推移、難しいといわれる理由、法律初学者でも合格を目指せる理由、合格可能性を高める学習方法を、行政書士試験研究センターの一次情報に基づいて解説します。

この記事の結論

  • 2025年度行政書士試験の合格率は14.54%
  • 直近10年間の平均合格率は12.53%
  • 行政書士試験は、10人のうち1~2人程度が合格する難関試験
  • 難しさの中心は、広い試験範囲、法律特有の思考、記述式、3つの合格基準
  • 原則として総得点180点以上を目指す絶対評価型の試験
  • 初学者でも、行政法・民法を中心に学習を積み上げれば合格を目指せる

行政書士試験はどれくらい難しいのか

行政書士試験は、法律初学者でも受験できますが、十分な準備をせずに合格できる試験ではありません。近年の合格率はおおむね10~16%の範囲にあり、受験者の約7~10人に1人が合格する水準です。

難易度の目安

行政書士試験は「難関国家資格」に位置づけられます。ただし、競争相手の人数によって合格者が決まる相対評価型の試験ではなく、原則として公表された合格基準を満たせば合格できる試験です。

難関である一方、司法試験のように法科大学院修了などの受験資格は求められません。年齢、学歴、国籍等に関係なく受験できるため、社会人、大学生、主婦・主夫など、幅広い人が挑戦しています。

そのため、合格率には、十分な学習を終えた受験者だけでなく、準備が間に合わなかった方、学習途中で本試験を経験するために受験した方なども含まれます。合格率は試験全体の難しさを示す重要な数字ですが、一人ひとりの合格可能性をそのまま示す数字ではありません。

2025年度行政書士試験の合格率は14.54%

行政書士試験研究センターが公表した2025年度(令和7年度)の試験結果は、次のとおりです。

項目 2025年度 2024年度
受験申込者数 63,845人 59,832人
受験者数 50,163人 47,785人
合格者数 7,292人 6,165人
合格率 14.54% 12.90%
合格者平均得点 197点 198点

2025年度の合格率は、前年度の12.90%から1.64ポイント上昇しました。ただし、合格率が上昇したことだけをもって、試験が簡単になったとは判断できません。年度によって問題の難易度や受験者の得点状況が異なるためです。

詳細は、行政書士試験研究センターの令和7年度行政書士試験実施結果の概要で確認できます。

行政書士試験の過去10年間の合格率

行政書士試験研究センターが公表している直近10年間の試験結果を整理すると、次のようになります。

年度 受験申込者数 受験者数 合格者数 合格率
令和7年度 63,845人 50,163人 7,292人 14.54%
令和6年度 59,832人 47,785人 6,165人 12.90%
令和5年度 59,460人 46,991人 6,571人 13.98%
令和4年度 60,479人 47,850人 5,802人 12.13%
令和3年度 61,869人 47,870人 5,353人 11.18%
令和2年度 54,847人 41,681人 4,470人 10.72%
令和元年度 52,386人 39,821人 4,571人 11.48%
平成30年度 50,926人 39,105人 4,968人 12.70%
平成29年度 52,214人 40,449人 6,360人 15.72%
平成28年度 53,456人 41,053人 4,084人 9.95%
直近10年間の単純平均 12.53%

過去10年間では、最も低い年度が平成28年度の9.95%、最も高い年度が平成29年度の15.72%です。合格率には年度差がありますが、おおむね10%台前半で推移しています。

したがって、行政書士試験は一時的に合格率が高い年度があっても、継続的な学習を必要とする難関試験であることに変わりはありません。

行政書士試験が難しい5つの理由

1.試験範囲が広い

法令等では、憲法、行政法、民法、商法・会社法、基礎法学が出題されます。さらに、基礎知識では、一般知識、行政書士法等の関連法令、情報通信・個人情報保護、文章理解が出題対象です。

初学者がすべての分野を同じ深さで学ぼうとすると、復習や問題演習の時間が不足します。出題数や配点、理解度に応じて、学習の優先順位を決める必要があります。

2.暗記だけでは解けない

法律の名称や用語を暗記するだけでは、事例問題に対応できません。問題文の事実関係を整理し、どの条文や判例が関係するのかを判断して、結論を導く力が求められます。

法律学習で必要な3段階

条文や制度を知る「知識」、制度の趣旨を理解する「理解」、事例に当てはめる「運用」の3段階が必要です。

3.行政法と民法でつまずきやすい

行政法には複数の法律と判例が含まれ、処分性、原告適格、訴えの利益など、日常生活では使わない概念が登場します。

民法では、当事者間の法律関係だけでなく、第三者との関係、契約、物権、債権、親族、相続など、幅広い分野を体系的に理解する必要があります。個別の結論を暗記するだけでは、似た事例を正確に区別できません。

4.記述式が60点を占める

法令等には、1問20点、合計60点の記述式問題があります。40字程度という限られた文字数の中で、必要な法的要件や結論を正確に表現しなければなりません。

知識があっても、問われている内容を読み違えたり、必要なキーワードを文章にできなかったりすると、得点につながりません。択一式で知識を確認しながら、記述式で言語化する練習が必要です。

5.3つの合格基準をすべて満たす必要がある

行政書士試験では、総得点だけでなく、法令等と基礎知識にも個別の合格基準があります。

判定区分 満点 原則的な合格基準
法令等 244点 122点以上
基礎知識 56点 24点以上が目安
試験全体 300点 180点以上

総得点が180点以上でも、法令等または基礎知識の基準を下回ると原則として不合格です。得意科目だけで点数を稼ぐのではなく、基礎知識の基準点を確保しながら、法令等で安定して得点する必要があります。

合格率だけでは難易度を判断できない理由

合格率14.54%という数字を見ると、「85%以上の受験者が不合格になる」と考えてしまいます。しかし、行政書士試験の合格率を解釈する際は、受験制度の特徴も考える必要があります。

受験資格による事前選抜がない

行政書士試験は、年齢、学歴、国籍等に関係なく受験できます。大学の法律系学部卒業、指定講座の修了、実務経験などの受験条件がありません。

挑戦しやすい制度である一方、受験者の法律知識や学習時間には大きな差があります。そのため、合格率は、十分に準備した受験者だけを母数にした数字ではありません。

合格者数を一定数に制限する試験ではない

行政書士試験は、原則として法令等50%以上、基礎知識40%以上、全体60%以上という基準をすべて満たすことによって合格します。

上位何人までという定員制ではないため、受験者が多い年度でも、必要な得点に到達すれば合格できます。ただし、問題の難易度を評価して、合格基準に補正的措置が加えられる場合があります。

大切な考え方:「合格率が何%か」だけでなく、「自分が180点を超えるために、どの科目で何点を取るか」を考える方が、具体的な学習計画につながります。

法律初学者でも行政書士試験の合格を目指せる理由

理由1.合格に必要なのは満点ではなく180点

行政書士試験は300点満点ですが、原則的な合格基準は180点以上です。すべての問題に正解する必要はなく、合格基準を満たす得点設計ができます。

商法・会社法や基礎法学を完全に習得してから次へ進むのではなく、行政法と民法を中心に得点力を高め、他科目で必要な点数を積み上げる戦略が考えられます。

理由2.試験科目と合格基準が公表されている

出題科目、出題形式、問題数、試験時間、合格基準が公表されています。何を学ぶべきか、どの形式に対応すべきかを確認したうえで、試験日から逆算した計画を立てられます。

理由3.過去の試験問題が公開されている

行政書士試験研究センターは、著作権に関係するものを除き、過去の試験問題と正解を公開しています。過去問を使って、問題文の長さ、選択肢の作り方、問われる知識の深さを確認できます。

ただし、初学者が最初から正答率だけを気にする必要はありません。学習初期は、どのような問題が出るのかを知り、学習後は知識の使い方を確認するために活用します。

理由4.法律は体系的に学ぶと理解がつながる

法律用語を一つずつ暗記している段階では、学習内容が断片的に見えます。しかし、制度の目的、原則、例外、判例を関連づけると、新しい論点を学ぶ際にも既存の知識を利用できるようになります。

法律初学者には先入観が少ないという側面もあります。最初から正しい学習順序を作り、条文と具体例を結び付ければ、体系的な理解を積み上げられます。

理由5.マンツーマンでは理解度に合わせて調整できる

法律初学者がつまずく場所は一人ひとり異なります。マンツーマン指導では、理解済みの部分は短く、分からない用語や制度は具体例まで戻って説明できます。仕事や学業の状況に合わせて、学習量を調整できることも利点です。

行政書士試験の合格可能性を高める学習戦略

行政法を得点源にする

制度の全体像を整理し、条文と主要判例を問題演習で確認します。

民法を事例で理解する

登場人物、法律関係、要件、効果を整理して結論を導きます。

早期に問題演習を始める

テキストを最後まで読んでからではなく、学習した範囲ごとに問題を解きます。

基礎知識の基準点を守る

文章理解や関連法令など、対策しやすい分野を直前期まで放置しません。

記述式を言語化に使う

40字程度で要件と結論を表す練習により、択一式の理解も深めます。

毎週進捗を見直す

予定と実績の差を確認し、遅れを翌月まで放置せずに修正します。

避けたい学習方法

  • 複数のテキストを次々に買い足す
  • 講義を視聴するだけで問題を解かない
  • 分からない法律用語を曖昧なままにする
  • 苦手な民法を後回しにする
  • 基礎知識と記述式を直前期まで放置する

Lex行政書士予備校の3つのコース

Lex行政書士予備校では、受講生の法律学習経験と現在の得点状況、本試験までの期間に応じて、3つのコースをご案内しています。

法律初学者・大学生向け

ベーシックスタートコース

法律用語、条文、判例の読み方から始め、行政法・民法の基礎を段階的に学びます。初学者がつまずきやすい部分をマンツーマンで確認します。

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学習経験者・再受験者向け

弱点克服・実力アップコース

模試や過去問の結果を分析し、合格基準に届かない原因を特定します。苦手科目や記述式など、必要な分野を重点的に補強します。

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本試験直前期向け

直前対策・合格徹底コース

頻出論点、記述式、基礎知識、時間配分を総点検し、本試験で合格基準を突破するための最終調整を行います。

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行政書士試験の難易度に関するよくある質問

Q.行政書士試験の最新合格率は何%ですか?

2025年度(令和7年度)の合格率は14.54%です。受験者50,163人のうち7,292人が合格しました。

Q.行政書士試験の過去10年間の平均合格率は何%ですか?

行政書士試験研究センターが公表している平成28年度から令和7年度までの合格率を単純平均すると12.53%です。

Q.行政書士試験は法律初学者には難しすぎますか?

簡単な試験ではありませんが、法律初学者でも合格を目指せます。法律用語から段階的に学び、行政法と民法を中心に問題演習を積み重ねることが重要です。

Q.合格率が高い年度は試験が簡単なのですか?

合格率が高いという理由だけで、試験が簡単だったとは判断できません。問題の難易度、受験者の準備状況、得点分布など、複数の要因が影響します。

Q.行政書士試験は180点取れば合格できますか?

総得点180点以上に加え、法令等で満点の50%以上、基礎知識で満点の40%以上を取る必要があります。3つの基準をすべて満たすことが原則です。

Q.行政書士試験で最初に勉強する科目は何ですか?

学習計画によって異なりますが、行政法と民法を中心に据えることが重要です。法律初学者は、法律用語や条文の読み方も同時に学びましょう。

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まとめ

2025年度行政書士試験の合格率は14.54%で、直近10年間の平均合格率は12.53%です。行政書士試験は、受験者の約7~10人に1人が合格する難関国家試験といえます。

難しさの原因は、広い試験範囲、法律特有の思考、行政法と民法の体系的理解、記述式、科目別基準などにあります。一方で、原則として300点満点中180点以上を目指す試験であり、満点を取る必要はありません。

法律初学者でも、正しい順序で基礎を学び、問題演習と復習を継続すれば合格を目指せます。合格率だけで可能性を判断せず、自分の学習時間と現在の理解度から、具体的な得点計画を作ることが大切です。

参考文献・一次情報

※本記事は2026年7月22日時点で公表されている資料に基づいて作成しています。合格率や試験制度の最新情報は、行政書士試験研究センターの公式発表をご確認ください。

執筆・監修
川元先生

Lex行政書士予備校 講師。長年にわたりマンツーマン指導に携わり、受講生一人ひとりの状況や課題に合わせた学習支援を行っています。理解度や学習時間を踏まえた、きめ細かな個別指導には定評があります。

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