行政書士試験は何から勉強する?初学者の科目順・教材・過去問

行政書士試験の勉強を始めようとしても、「憲法・民法・行政法のどれから始めるのか」「最初から過去問を解くのか」「六法は必要なのか」と迷う方は少なくありません。

法律初学者は、いきなり細かな判例や難問を暗記するのではなく、試験の構造を知る→法律用語と条文に慣れる→行政法と民法を中心に学ぶ→学習した範囲の過去問を解く、という順序が基本です。

この記事では、行政書士試験を初めて学ぶ方が、教材を増やしすぎず、得点につながる学習を始めるための具体的な手順を解説します。

最初に行う5つのこと

  1. 試験科目・配点・合格基準を確認する
  2. 受験日までに確保できる時間を計算する
  3. 基本テキスト・過去問題集・六法を絞って選ぶ
  4. 法律の基本用語を学び、行政法と民法へ進む
  5. 学習した単元の過去問をその週に解く

勉強前に行政書士試験の構造を確認する

行政書士試験は、法令等46問と基礎知識14問の合計60問です。試験時間は3時間、300点満点で、法令等には択一式・多肢選択式・記述式があります。

区分 主な内容 問題数 満点
法令等 憲法、行政法、民法、商法、基礎法学 46問 244点
基礎知識 一般知識、行政書士法等、情報通信・個人情報保護、文章理解 14問 56点

原則的な合格基準は、法令等122点以上、基礎知識24点以上、全体180点以上の3つです。したがって「得意科目だけで180点を取る」という考え方ではなく、科目別基準を守りながら全体で6割を超える設計が必要です。

2026年度の注意:法令問題は2026年4月1日現在施行されている法令から出題されます。古い教材を使う場合は、法改正への対応を必ず確認してください。

法律初学者におすすめの科目順

全員に同じ順序が最適とは限りませんが、法律初学者は次の流れを基本にすると、知識のつながりを作りやすくなります。

第1段階:法律の基本用語と試験形式

「要件と効果」「原則と例外」「善意と悪意」「取消しと無効」「権利と義務」など、複数科目に共通する基本用語を確認します。最初から用語集を丸暗記するのではなく、具体例の中で意味を理解します。

第2段階:憲法の全体像

人権と統治の大きな構造を学びます。憲法は、判例の考え方や公権力と国民の関係を理解する入口になります。ただし、細かな判例暗記に長時間を使いすぎないようにします。

第3段階:行政法を早期に得点源へ

行政法は行政書士試験の中心科目です。行政行為の基礎から、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法へ進みます。各制度を「行政活動の事前手続」「行政内部の不服申立て」「裁判による救済」のように位置づけると整理しやすくなります。

第4段階:民法を長期的に積み上げる

民法は総則、物権、債権、契約、親族、相続まで範囲が広く、短期間で完成させにくい科目です。行政法を学びながら、民法も早い時期から並行して進めます。登場人物を図にし、誰が誰に何を請求できるのかを整理します。

第5段階:商法・会社法と基礎法学

主要科目の学習時間を確保したうえで、基本・頻出事項を中心に進めます。細部まで完全に理解しようとして行政法・民法の復習時間を失わないようにします。

第6段階:基礎知識を並行する

基礎知識には独立した合格基準があります。文章理解や行政書士法等、比較的計画的に対策しやすい分野から継続して学び、直前期だけにまとめて処理しないことが重要です。

基本の順序

試験構造・法律用語 → 憲法の全体像 → 行政法を中心化 → 民法を並行 → 商法・会社法・基礎法学 → 基礎知識を継続、という流れが一つの基本形です。

行政書士試験の教材の選び方

最初から多くの教材を集める必要はありません。基本となる教材を決め、繰り返し使える状態にすることが重要です。

教材 役割 選ぶポイント
基本テキスト 制度の全体像と基本知識 法改正対応、図解、過去問との対応が分かる
過去問題集 知識の使い方と出題傾向 正解だけでなく全選択肢の理由が詳しい
六法 条文確認と体系理解 試験年度対応、持ち運びや検索のしやすさ
記述式教材 要件と結論の言語化 採点要素と答案作成過程が示されている
模試 得点設計と3時間の時間配分 受験後に復習と原因分析ができる

六法は最初からすべて読み込むための本ではありません。テキストや問題に登場した条文を確認し、前後の条文、ただし書、準用・読替えの関係を見るために使います。

最新の条文は、無料のe-Gov法令検索でも確認できます。

過去問はいつから、どう使うのか

過去問は、テキストをすべて読み終えてから始めるものではありません。学習した単元ごとに解き、理解した知識が問題の中でどのように問われるかを確認します。

  1. 1周目:正答率よりも、問題文と選択肢の意味を理解する。解説を読み、テキストと条文に戻る。
  2. 2周目:各選択肢がなぜ正しいか、なぜ誤りかを自分の言葉で説明する。
  3. 3周目以降:迷った問題と間違えた問題を中心に反復し、判断時間を短くする。

過去問の目的:答えの番号を覚えることではなく、事実関係から適用する条文・判例を選び、正誤を判断できるようにすることです。

行政書士試験研究センターは、著作権上掲載できない問題を除き、過去の試験問題と正解を公開しています。必ず公式の過去問ページも確認しましょう。

初学者向け1週間の学習サイクル

段階 行うこと 確認点
インプット 講義・テキストで制度の目的と全体像を学ぶ 誰に、どの要件で、どの効果が生じるか
条文確認 根拠条文と前後の規定を見る 原則、例外、ただし書
範囲別演習 学習した単元の過去問を解く 全選択肢の正誤理由
復習 翌日・週末に誤答を再確認する 同じ理由で再び間違えていないか
計画修正 予定と実績を比べる 翌週に残す課題を絞る

独学で進められるかを判断するチェック項目

  • 試験日から逆算して週間計画を立てられる
  • 分からない用語を自分で調べ、条文に戻れる
  • 間違えた原因を記録し、復習日を決められる
  • 仕事や学業で予定が崩れた際に計画を修正できる
  • 同じ論点で停滞したとき、質問先や解決方法がある

独学が向かないという意味ではありません。学習が止まる原因を自分で解決できるかが判断のポイントです。計画管理や疑問解決に長時間を使う場合は、個別指導を利用することで学習時間を本来の理解と演習へ戻せます。

初学者が避けたい7つの失敗

  1. 教材比較だけで時間を使い、学習開始が遅れる
  2. テキストを一字一句覚えようとする
  3. 行政法または民法のどちらかを長期間放置する
  4. 正解した問題を理解済みと判断し、理由を確認しない
  5. 六法を引かず、要約だけを暗記する
  6. 基礎知識と記述式を直前まで始めない
  7. 計画が崩れた後も当初の予定に固執する

Lex行政書士予備校の3つのコース

Lex行政書士予備校では、受講生の法律学習経験と現在の得点状況、本試験までの期間に応じて、3つのコースをご案内しています。

法律初学者・大学生向け

ベーシックスタートコース

法律用語、条文、判例の読み方から始め、行政法・民法の基礎を段階的に学びます。初学者がつまずきやすい部分をマンツーマンで確認します。

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学習経験者・再受験者向け

弱点克服・実力アップコース

模試や過去問の結果を分析し、合格基準に届かない原因を特定します。苦手科目や記述式など、必要な分野を重点的に補強します。

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本試験直前期向け

直前対策・合格徹底コース

頻出論点、記述式、基礎知識、時間配分を総点検し、本試験で合格基準を突破するための最終調整を行います。

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何から始めるか迷っている方へ

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よくある質問

行政書士試験はどの科目から始めればよいですか?

試験構造と法律用語を確認した後、憲法の全体像を短く学び、行政法と民法を早い段階から進める方法が基本です。

過去問はテキストを終えてからですか?

いいえ。学習した単元の過去問をその週に解き、知識がどのように問われるか確認します。

行政書士試験に六法は必要ですか?

条文の正確な文言、前後関係、ただし書、準用関係を確認するために役立ちます。すべてを通読する必要はありません。

教材は多いほどよいですか?

教材を増やすより、基本テキストと過去問題集を繰り返し、誤答を条文へ戻って確認する方が効果的です。

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まとめ

行政書士試験の初学者は、試験構造と法律用語を確認したうえで、行政法と民法を中心に学習を始めます。基本テキスト、過去問題集、六法を軸にし、教材を増やしすぎないことが重要です。

過去問は学習の最後に行うものではありません。学習した範囲をすぐに解き、正誤理由を説明し、条文へ戻る循環を作ることで、知識を得点力へ変えていきます。

参考文献・一次情報

執筆・監修
川元先生

Lex行政書士予備校 講師。長年にわたりマンツーマン指導に携わり、受講生一人ひとりの状況や課題に合わせた学習支援を行っています。理解度や学習時間を踏まえた、きめ細かな個別指導には定評があります。

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