行政書士試験の時間配分|3時間で実力を出し切る解答順序と模試活用法

行政書士試験の模試で、民法の事例問題や記述式に時間を使い、最後の基礎知識を急いで解いた。文章理解を読み直している間に見直し時間がなくなった。知識はあるのに時間切れになる場合、問題を速く読むだけでは解決しません。

必要なのは、解く順番、科目ごとの上限時間、通過時刻、迷った問題を保留する基準、最後に確認する項目を本試験前に決めることです。

この記事では、行政書士試験の公式な試験時間と問題構成、180分の配分例、3つの解答順序、時間を失いやすい場面、二段階解答法、模試の記録方法、残り30分になった場合の立て直し方を解説します。

時間配分を安定させる結論

  • 全員に共通する最適な解答順序はない
  • 科目時間だけでなく通過時刻を決める
  • 迷った問題は印を付け、二周目へ回す
  • 記述式と文章理解に使う上限時間を決める
  • 最後の見直し時間を先に確保する
  • 模試では得点と一緒に未着手数・保留数・通過時刻を記録する
  • 複数の順番を比較した後、本試験で使う型を固定する

令和8年度行政書士試験は午後1時から午後4時まで

行政書士試験研究センターの令和8年度試験案内によると、試験日は令和8年11月8日(日)、試験時間は午後1時から午後4時までの3時間です。集合時刻は午後0時20分と案内されています。

同年度の出題数は法令等46題、基礎知識14題です。令和7年度の合否判定基準では、5肢択一式40問、多肢選択式3問、記述式3問、基礎知識の5肢択一式14問の合計60問・300点でした。

形式 令和7年度の問題数 時間管理の特徴
法令等・5肢択一式 40問 難問や長い事例で止まらず、基本問題を先に回収する
法令等・多肢選択式 3問 文章全体と空欄前後を確認し、選択肢を絞る
法令等・記述式 3問 論点特定、下書き、40字程度への記入、点検が必要
基礎知識・5肢択一式 14問 知識問題と文章理解で処理時間が異なる

年度を区別して確認

令和8年度の試験時間と科目別出題数は同年度の公式案内、上表の形式別問題数・配点は令和7年度の公表基準に基づきます。受験年度の問題冊子と注意事項を必ず確認してください。

「時間が足りない」を5つの原因に分ける

原因 起きていること 修正方法
1. 知識不足 全選択肢を一から考え、判断根拠を探す 基本論点と比較項目を復習する
2. 保留できない 一問の正解が出るまで先へ進めない 上限時間と保留の印を決める
3. 読み直しが多い 設問条件や事例を何度も最初から読む 主語、否定、時点、問いへ最初に印を付ける
4. 完璧を求める 記述式や二択問題で表現・根拠を考え続ける 一周目と二周目の役割を分ける
5. 順序が未固定 模試ごとに解く順番が変わり、通過時刻を予測できない 複数案を比較後、本番用の型を決める

時間記録は科目合計だけでは足りない

「行政法に70分かかった」だけでなく、どの問題で止まり、何分超過し、その結果どの問題を急いだかを記録します。時間不足が知識不足によるものなら、時計を見る回数を増やしても解決しません。

行政書士試験の時間配分を作る5原則

  1. 見直し時間を先に確保する:180分をすべて一周目へ使わず、未回答と転記を確認する時間を残します。
  2. 上限時間を決める:科目、記述式一問、文章理解一問など止まりやすい単位に上限を置きます。
  3. 通過時刻を決める:開始から何分後にどの形式へ移るかを時計で確認します。
  4. 一周目は回収を優先する:根拠がある問題を確実に解き、迷う問題は二周目へ送ります。
  5. 得点への影響で順番を選ぶ:自分が集中して解きたい形式と科目基準を考えます。

180分の時間配分3パターン

次の配分は学習用の例であり、公式推奨や全受験生の最適解ではありません。合計180分になるよう配分し、模試の得点と未着手数から調整します。

配分例 法令5肢 多肢 記述 基礎知識 見直し
標準順型 70分 15分 40分 35分 20分
基礎知識先行型 70分 15分 40分 35分 20分
記述式早期型 70分 15分 40分 35分 20分

標準順型

問題冊子の順に進む

移動が少なく、通過時刻を管理しやすい一方、前半の難問で止まらない工夫が必要です。

基礎知識先行型

科目基準を先に確保

文章理解を集中力のある時間に解けますが、法令等へ戻る時刻を厳守します。

記述式早期型

記述式の未着手を防ぐ

前半の択一を一定範囲進めた後に記述式へ移り、残りの形式へ戻ります。

同じ時間枠でも解く順番が異なります。分野ごとの時間は、正答率を維持できる範囲で増減してください。配分変更は見直し時間を削るのではなく、超過の原因となる形式を修正して行います。

解答順序は得点・集中力・事故の少なさで選ぶ

判断項目 比較する内容
得点 同程度の難易度の模試で総得点・科目基準が安定するか
未着手 時間切れで読めなかった問題が減るか
集中力 文章理解・記述式をどの時間帯に置くと精度が高いか
移動ミス 問題番号の飛び、マーク位置、未回答の見落としが増えないか
心理状態 難問から始まった場合でも焦らず予定を守れるか

一回の模試だけで決めず、少なくとも複数回で比較します。本試験直前まで毎回順番を変え続けると通過時刻が定着しないため、比較後は一つの型へ固定します。

一周目と二周目の役割を分ける

時間切れを防ぐ基本は、一問を一度で完成させようとしないことです。迷いの程度を印で分けます。

分類 状態 対応
確定 根拠を持って選べる 解答し、二周目では原則触らない
二択 候補は絞れたが判断基準が曖昧 候補と迷った点へ印を付け二周目へ
不明 論点・用語が分からない 推測を続けず、後で消去法を試す
時間問題 長文・複雑な事例で処理に時間が必要 まとまった二周目時間で読む

印は3種類以内にする

印が複雑だと記録自体に時間を使います。二択、不明、要見直しなど最低限にし、問題冊子への記入については受験年度の注意事項に従ってください。

記述式は考える時間と書く時間を分ける

記述式で時間を失う原因は、完成した40字が浮かぶまで考え続けることです。設問把握、必要語句、文章化、点検へ分けます。

  1. 設問から主語、相手方、求められる法的効果を囲む
  2. 行政法は手続段階、民法は当事者と時系列を整理する
  3. 必要な制度名・要件・当てはめ・結論を箇条書きにする
  4. 骨格文を作った後に40字程度へ整える
  5. 主語、否定、結論、文字、句読点を点検する

一問あたりの上限時間は、模試で自分の正答率と他科目への影響を見て決めます。論点が定まらない問題を保留する基準も、事前に練習してください。

文章理解は本文を何度も最初から読まない

類型 時間を守る手順
要旨把握 段落の役割と筆者の結論を短く取り、選択肢の言い過ぎ・不足を本文へ戻す
空欄補充 選択肢を見る前に、接続・対比・因果など空欄の役割を決める
文章整序 指示語、接続語、同じ語句から強くつながる二文を先に組にする

本文を全部記憶しようとせず、設問が求める箇所へ戻れる印を付けます。正答率を落としてまで速度を上げず、根拠を示せる手順を固めてから制限時間を短くします。

模試は時間配分の実験と検証に使う

段階 行うこと
実施前 解答順序、通過時刻、上限時間、保留の印、見直し開始時刻を紙に書く
実施中 形式を移る時刻、予定超過、止まった問題、集中力の変化を記録する
実施直後 未着手、保留、見直し、マーク修正、形式別時間を集計する
復習時 知識不足、読み違い、判断迷い、時間不足のどれが超過原因か分類する
次回 一度に変更する項目を一つに絞り、得点と未着手数を比較する

模試後に残す7つの数字

  • 総得点・法令等得点・基礎知識得点
  • 各形式へ移った通過時刻
  • 一周目で確定できた問題数
  • 二択・不明・時間問題の数
  • 未着手問題数
  • 見直しへ使えた時間
  • 見直しで正解から誤答、誤答から正解へ変えた数

予定より遅れたときの残り30分対応

本番で予定が崩れた場合に、その場で新しい計画を考えると焦りが増えます。模試で緊急時の優先順位も決めておきます。

  1. 未着手の問題番号と解答形式を確認する
  2. 短時間で判断できる知識問題を先に回収する
  3. 基礎知識の科目基準へ影響する未着手問題を確認する
  4. 記述式は主語・必要語句・結論の部品から作る
  5. 長い一問へ残り時間を集中させない
  6. 最後に未回答、問題番号とマーク位置、記述欄を確認する

具体的な優先順位は得意科目と得点計画によって異なります。模試で残り30分の状態を意図的に作り、行動を練習しておくと本番で判断しやすくなります。

時間配分を決める4週間の実戦計画

試すこと 完了基準
1週目 標準順で3時間演習し、全形式の所要時間を測る 時間不足の原因と超過形式が分かる
2週目 基礎知識先行または記述式早期型を一つ試す 得点・未着手・疲労を標準順と比較できる
3週目 有力な順番で上限時間・通過時刻・保留基準を調整 見直し時間を確保して全問題へ触れられる
4週目 本番用の順番を固定し、同じ手順で再現する 通過時刻と未着手数が安定する

試験時間を失う10の行動

  1. 最初の難問が解けるまで先へ進まない
  2. 二択問題を一周目で何度も読み直す
  3. 設問の正誤・個数・否定条件を確認せず読み直す
  4. 民法の当事者と時系列を頭の中だけで処理する
  5. 記述式の完璧な表現が浮かぶまで考える
  6. 文章理解の本文を毎回最初から読み直す
  7. 保留の印を複雑にしすぎる
  8. 見直しで根拠なく確定答案を変更する
  9. 模試ごとに解答順序を変え続ける
  10. 模試の得点だけを見て通過時刻と未着手数を記録しない

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行政書士試験の時間配分でよくある質問

行政書士試験の試験時間は何分ですか?

令和8年度試験は午後1時から午後4時までの3時間、180分です。集合時刻は午後0時20分と公式に案内されています。

行政書士試験はどの問題から解くべきですか?

全員共通の最適順序はありません。標準順、基礎知識先行、記述式早期などを模試で比較し、総得点、科目基準、未着手数、集中力が安定する順番を選びます。

記述式には何分使えばよいですか?

一律の正解はありません。設問分析、下書き、記入、点検の時間を模試で測り、他科目の得点と見直し時間を圧迫しない上限を決めます。

迷った問題は空欄のまま後回しにしますか?

受験年度の注意事項を確認したうえで、候補と迷った理由へ印を付けて後回しにします。最終的な未回答を防ぐため、見直し開始時に未回答問題を最優先で確認します。

模試では毎回違う解答順序を試すべきですか?

比較期間には複数案を試しますが、得点と時間が安定する型が見つかった後は固定します。一度に変更する条件を一つにすると効果を比較しやすくなります。

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まとめ

行政書士試験の時間配分は、問題を速く読むことだけでなく、解答順序、上限時間、通過時刻、保留基準、見直し開始時刻を決めることで安定します。一周目は根拠を持って解ける問題を回収し、二択・不明・時間問題を二周目へ送ります。

標準順、基礎知識先行、記述式早期などを複数回の模試で比較し、総得点、科目基準、未着手数、集中力、移動ミスの少なさから本番用の型を選びます。決定後は同じ順序を反復し、180分の中で全問題へ触れ、見直し時間を残せる状態へ仕上げましょう。

参考文献・一次情報

著書・教材紹介

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執筆・監修
川元先生

Lex行政書士予備校 講師。長年にわたりマンツーマン指導に携わり、受講生一人ひとりの状況や課題に合わせた学習支援を行っています。理解度や学習時間を踏まえた、きめ細かな個別指導には定評があります。

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